ストリートピアノについて ピアノ教師からの考え

ストリートピアノの是非について
ラウンジピアニストやストリートピアノの先駆者でもあるピアノ教師の立場から
お話をさせていただこうと思います。
日本でストリートピアノが出現したのはいつの頃でしょうか?
◆◇◆◇◆
2013年には東京都都庁に設置されブームが起こり始めました。
それから全国各地のあらゆる場所に設置されるようになったそうです。
「ストリートピアノ」という名称が出始めるずっと昔、「デモ演奏(通称 デモ演)と呼ばれる時代に小学生時代から「街かどのどこか」で演奏した記憶があります。
これは子供の音楽教育の一環というより「楽器を習うと子供でも人前でこんな演奏ができるんですよ」と街ゆく人々へのPR活動の一環だったと子供ながらに記憶しています。
高校生の頃からイベントや楽器の展示即売会、楽器店の店頭などで率先して弾いていましたね。
◇◆◇◆◇
2025年3月 ネット上でとあるストリートピアノ主催者が発した注意書きが何を発端にそうなったのか定かではありませんが炎上しニュースにもなり一種の社会問題と化してしまいました。
拡散力が強いといわれるSNS 「X(旧Twitter)」で騒動を見ました。
それについての誰かの発言から火がついて炎上していったのだと思います。
まず最初に思ったことが「運営者様は一般の人からの度重なる苦情から苦肉の策であの一文を掲示し、その文面をXに上げたのだろう」とお察しします。
私はストリートピアノの現場にたまたま遭遇したのは
●クリスマスシーズンの『丸の内仲通り』と『羽田空港』の2つのみ。
他はYouTubeでサムネイルがimpressionされるのを見ただけでクリックはしたことがないのです。
(生徒さんには時々紹介します)
ストリートピアノが設置されているところは主に駅構内や駅前広場
今回騒動の発端になったところはオープンスペースではありますがショッピングモール内のフードコートだということです。
これはホテルのロビーにも同じことが言えますが比較的オープンなエリアでもグランドピアノの音は特に響き渡ります(アップライトピアノを設置しているエリアもあると思いますが)
ライブハウスやコンサート会場ではないのでそこにはピアノや音楽を聴きたくない人もいるわけです。
まず、最初に思ったことは「主催者様は何も悪くない」のです。
色々な場所にピアノが設置されていますがどちらも恐らく大半が「設置場所の管理者や主催者様というのは楽器が弾けたり音楽そのものにあまり詳しくない方が多い」ということ。
ライブハウスのオーナー様とは全くわけが違うのです。
レストランのオーナーも然り。
ライブレストランのオーナーや店長でも音楽自体にあまり詳しくない方もいらっしゃるのです。
私が専属で弾いていた店のオーナーも店長も音楽が全くわからない方でした。
これらは一般の方にはわからないでしょう。
楽器を演奏する付加価値として飲食店にお客様を呼ぶという趣旨でした。
ピアノバーになるとまた少し違うかもしれませんね。
オーナーそのものがピアノを弾くところもありますし、そもそもピアノの先生かピアニストしか雇われることはありません。
■誰でもご自由にお弾きください。
この言葉には「優しさ」があって音楽で街が活性化できればいい。
音楽でみんなが癒されて欲しい。
という意味が含まれているのだと思います。
ところがこの「誰でも」というのがそもそも後々このような事態を招くことになってしまったわけですよ。
今回、ざっと見ですが「プロのピアニストはクラシック、ジャズ、ポップス」ジャンル問わずあえて言及していません(笑)
恐らくピアノの先生方は普段から多くの生徒さんを見ており、ピアノを習って人前で弾くということがどういうことなのかがおわかりなので私のようにラウンジピアニストを経験された方が一部オブラートに包んで話されている方を数人見かけましたが思っていることは同じだと感じましたね。
問題は「部外者」「ピアノを習ったことがない人」こういう方々が匿名で音楽とは関係のないアカウントで主催者を叩きにたたいて更に火に油を注ぐ形で炎上させたことにあります。
普段から仕事や生活がうまくいっていないなど不満がある人、自信のない人ほど匿名で特定の人を吊し上げる傾向にあります。
加えてメンタルヘルスに問題を抱えた人です。
情報開示をして訴えられたら一発で摘発ですよ。
何か意見があるのなら堂々と顔出しもしくは実名でやるべきでしょう。
これができないということは心にやましいことがあるから。
いつでも逃げられると思っているフシがあるからだと思います。
私が教室Xアカウントとは別に趣味でやっているXアカウントがあるのですが、そちらのタイムラインに「自称?? 音楽ライター」の女性で常々J-POPのアーティストの批評を
書き連ねている方がいらっしゃるのですが、てっきり音楽を人より理解しているかと思いきや「誰でも自由に弾いていい場所なのにこんなこと言われたくない!」みたいな一文を書いていてそれを見て一番気分が悪かったですね。
「ピアノや音楽のこと実は何もわかっていないじゃない!」
本業でも副業でも音楽ライターなら堂々と実名もしくはペンネームでみなさん発信しています。
◇◆◇◆◇
ストリートピアノは今後どのようにすればよいのか?
規定が書かれているにもかかわらずそれを読んでいない。
又はその線引きの意味を理解していない人が多いのだと思います。
●ジャンル問わず静かな曲を弾く
●子どものガチャ弾きを防ぐ
習っている先生に
①「ストリートピアノがあったらどんな曲を弾いたらいいか予め相談しておく」
②「ピアノレッスンでも希望者は折に触れてストリートピアノで弾く曲や弾き方を習っておく」
③ねこふんじゃったやアラベスクの早弾き競争をしない
●年齢関係なく「練習の場にしない」
つっかえつっかえの演奏を聴かされる人は大変なストレスになります。
●あくまでも人前でピアノを演奏したい人のためにある
●人前で曲を演奏する、聴いてもらうというキチンとした意志を持って聴衆のことを考えた曲目や演奏をする
速いテンポで弾けばうまいと思っている人は音楽センスがありません。
●一人5分まで、10分までと書いてあるのは5分を超える曲でも一人一曲までということです。
並んでいる人がいる場合など他の人のことを考えないで一人で延々とリサイタルのように弾いている人がいたりします。
注意しても逆ギレしたりトラブルに発展するような方もいるそうなので気を付けましょう。
そういう方は「ご自身でライブを行って下さい」
ライブハウスではオーディションを行って出演者を募集しているところがありますのでそちらで演奏された方が良いと思います。
◇◆◇◆◇
ユーチューバーさんですごい演奏をされる方多いですよね?
その影響が合ってみんな頑張って練習して弾いているものだと思っていましたが、実際には一般の方から苦情が寄せられてこのような事態に陥っているとは。。。
ピアノは数か月やちょっと数年習って不特定多数の人の前で演奏ができるものではないのです。
子供の頃からコツコツと積み重ねてだんだんと上達してはじめて人前で演奏できるレベルになります。
子供の頃ピアノと縁がなかった人や習った経験がない人は数か月で曲が弾けると本気で思っていらっしゃるようですがそれはありません。
メディアやYouTubeなどでそのように見せているのは視聴率を取るための完全な「捏造(やらせ)」です。
子供の頃からコツコツ習い、最低でも10年続けてようやく人前で演奏できたり伴奏ができたりするようになります。
中級レベルで途中で辞めるとその後ほぼ全く弾けなくなるのです。
ですから続けた人だけが好きな曲が自分の力で弾けるようになる楽器なのです。
私はユーチューバーさんの活動に賛成派、肯定派ですが概ねこの方の意見と同じです。
■あなた、すてきね。 どこからきたの?何やってる人なの?
こんな風に言われてみたいじゃないですか。
■柴田音楽教室では人前でステキに演奏するには
\どんな曲を弾いたらいいの/
\どのように演奏すれば人に感動してもらえるの/
これを大切にしています。
ラウンジピアニスト養成のレッスンを行っています。
ラウンジピアニスト
この記事を書いた人