ピアノを習っていても楽譜が読めないのはなぜ?

ピアノを習ってどれくらいの期間で楽譜が読めるようになるのでしょうか?
楽譜の長さや曲のレベルにもよりますがドレミから覚えていくことは数えなくても3才から読めるようになります。
どれくらいの期間でというよりも
・楽譜の難易度を少しずつ上げていくこと
・はじめはピアノレッスンで大きめの音符の楽譜を使ってだんだんと音符の球が小さいものに慣れていくようにしていきます。
楽譜が読めているのに読めていない。
自分では自覚がないのだけれど何となく書いてある情報が
スッと頭の中でスムーズに流れていかない。
この状態にあると目の前に楽譜があっても「楽譜が視界に入っていても何が書いてあるのかがずっと長い間理解できていないまま、ただ何となく弾いている」
だけなのです。
ですから一部の箇所の弾き方や読み方をピアノレッスンで先生に指摘されても治ることは半永久的にありません。
直そうにも「楽譜を見ても何が書いてあるのかがそもそもあまり理解していないわけですから」
こういう現象が見られた場合、生徒さんの年齢やピアノを何年習っているかという経験年数は全く関係なしに音符読みがスムーズにできる教本に戻してすべて1からやり直しします。
■なぜピアノを数年習っていても楽譜が読めていないのか?
その原因を追究してお伝えします。
1⃣ 最初に習ったピアノの先生の教え方・レッスンの展開の仕方・使用した教本が間違っているから。
このケースが非常に多いのに驚きを隠せません。
特に地域に教室の数があまりない地方の教室にこのケースにありがちです。
指導経験が浅かったりはたまた自分が子供時代に習った教え方や教本をそのまま使用して今の時代の子供や大人初心者の方に教えているアップデートできていない年配の講師。
ピアノ導入期つまり「習いはじめの子供や大人にどの教本を使ってどんなふうに教えていいのかが教師側がわかっていないパターン」です。
転勤などで別な地域に引っ越した場合、その土地でピアノの先生を探さなければいけませんよね?
そんな時他の教室、他県で習っていたケースの9割がこの音符が読めていないケース。
お母さんがピアノを習った経験がない場合には本人やお母様もそれに気が付いていないこともあります。
「何となく弾けているからそれでいいのだろう」
または
「ピアノは習いに行けば弾けるようになるもの」と思っていることさえあります。
このような現象がレッスンで時々見られることがあります。
良く練習してくるし、質問もするしそれはとても良いこと。
しかし
頭の中でメロディが鳴っているのかそうでないのかは
レッスンですぐにわかります。
楽譜をキチンと見て弾いているのに何だかスムーズに弾けない。
2⃣実はその現象「目が悪いのかもしれません」
近眼ではないけれど乱視かも知れません。
普段は裸眼で普通に生活ができて何の不自由もない。
学校で視力を図るのって1年に1回ですよね?
すごく目が悪ければ黒板の文字が見えないなどありますが、
そこまでではない。
一度お子さんの視力のことを真剣に考えてみませんか?
「何となく見にくい」「小さな文字や音符になると読めない」
こんな時は眼鏡をかけてレッスンをしてみましょう。
どんな生徒さんにも読譜(楽譜をスラスラ読むこと)は大切なので
レッスン開始から楽譜を指さし棒でさしながら「楽譜をしっかり見て弾くように」教えているのですが
普段使っているテキストのほかにちょっと違う曲の楽譜を渡したとき
音符がいつもより小さくて読みにくいということがあります。
そんな時は150%拡大コピーを渡してあげることもあります。
これでいつものようにスラスラ弾けるようになるといいのですが、
視力が落ちてきている兆候がありましたら
眼鏡をかけてレッスンをしてみましょう。
眼鏡をかけたら劇的に見やすくなったという生徒さんがとても多いです。
3⃣ピアノを弾くことがあまり好きではない。
好きではないのに習わされたから。
この場合、先生が変わっても楽譜が読めるようにならない、良くならない場合もあります。
4⃣グループレッスンで何年も習っていたから。
もしくは大手楽器店や多店舗展開の個人レッスンで習っていたため先生が自分の指導にあまり熱意がない、もしくは効果的な指導方がわかっていないため。
一般の方は見分けがつきにくく理解ができないかもしれませんが最近は音楽が専門業種ではなく事業の一環として「音楽教室も行っている」ケースもあります。
多くの場合経営者が音楽のプロではないので講師の採用を「学歴・コンクール歴」などで採用をして指導法の研究を行っていないケースも多くあります。
実態は「アルバイト」と一緒ですから講師も指導にあまり責任感がありません。
知らずにこういうところでピアノを習いはじめてしまうと目先の教本の楽しさばかりに捕らわれて他の個人教室で習っているお子さんと比べて極端に進み具合や音楽に対する理解度が浅かったりするケースがございます。
キチンとした教室は講師を人柄や指導力で採用していますし、指導法も研修で行います。
各先生に「指導のやり方はおまかせ」では単なる「曜日の穴埋め講師」で長く続かないことも。
ピアノの楽譜というのは2段の楽譜になっていますよね?
これはピアノという楽器がとても音域が広いことにあります。
白い鍵盤と黒い鍵盤全部合わせて「88鍵盤」あるのですよ。
真ん中あたりにピアノメーカーのロゴがありませんか?
そのあたりの黒鍵(黒い鍵盤のことをいいます)が2つ並んでいるところの左側の白鍵(白い鍵盤)を真ん中のドの音といいます。
この真ん中あたりよりも上の高い位置にある音域を主にト音記号🎼
これよりも低い位置にある音域を主にヘ音記号といいまして、それぞれ読み方が全く違うのです。
ですからピアノの習いはじめに同時に覚えようとすると(正確には教えようとする)
何となくわかっているような読めたような気がするだけで「実はまったくわかっていなかった」ということが起きてしまうのです。
音符が読めるようになる解決策としては
常に一つ先へ目線を動かすトレーニングをピアノの習いはじめからやっていく。
音符単体ではなく流れとして楽譜を読んでいく。
声に出して音程を付けてピアノを弾くことを最初から当たり前のようにやっていく。
先生は音楽の専門家。
自身で気が付いていないようですが「わかっている前提で話をしたり教えたりしてしまっていること」
これに気が付いていない先生がとても多いのです。
他の楽器はピアノのように音域が広くありませんので、ト音記号だけまたは
ヘ音記号だけの1段楽譜です。
ピアノだけが2段の楽譜で、しかもト音記号とヘ音記号は読み方が全く違いそれを右手と左手同時に違うことを弾くことが多い。
これはとても脳みそを使います。
違うことを同時に教えるのではなくまずはト音記号が一定の音域をスラスラ読めて弾けるように導いて、楽譜を見て弾くことに慣れてきたらヘ音記号を少しずつ導入していきます。
生徒さんには「反復練習として読む⇒歌いながら弾く」「音符を書く」これを繰り返していくことが大切です。
これをどのような教本を使ってどのように講師が教え導いていくか。
子供やピアノの初心者に譜読みや音符、音楽を理論的に教えてはいけないんです。
勉強するものだと脳が捉えてしまうとむずかしそう、と暗示をかけてしまうからです。
マグネットで5線ボードやカードではわかるのに楽譜になると委縮してしまう。
これは音符を単体で覚えようとするからです。
グッズなどを使わなくてもシンプルに楽譜を目で追って音程を付けて歌いながらピアノを弾くことを習いはじめから行うことによって苦しむことなく楽譜が読めて弾けるようになっていきます。
グループレッスンで一人ひとりに目が行き届かなかったり、個人レッスンで習っていても音符が読めない状態でしたら柴田音楽教室は1から戻して楽譜を見て弾けるようにして差し上げます。
ピアノや音楽を大好きになって下さいね。
そのお手伝いをさせていただきます。
■柴田音楽教室■
この記事を書いた人
柴田里枝子 柴田里枝子のプロフィール