5才のピアノレッスンはどのように行われるのでしょうか?

ピアノレッスンで5才、6才の年長児はどのようにレッスンが始まるのでしょうか?
■5才と一口に言いましても家庭環境、個人差(性格)によってピアノレッスンでの接し方・言葉の使い方を微妙に変えています。
大切なことは「体験レッスン」で目の前にいるお子さんがどのような反応を示すか、何かを提示した時どのような動作をするかをしっかり観察します。
それによって
「このお子さんは今、この教材とこの教材を上手く組み合わせてこのようにレッスンを進めていく」と判断してピアノレッスンに入っていきます。
入門の段階で目の前のお子さんに「どのような教材を使ってどのように導いていくか」
幼児は気まぐれなところが合って当たり前。
1回1回のレッスンを大切にしていきますが、何かアクシデント(ピアノと関係のないことで不機嫌な日)があってもそのことに右往左往することなく講師側がデン!と構える姿勢でいなくてはいけないのです。
ずっと同じ状況が続くわけではなく成長していくプロセスとして考えます。
男女差というより性格や背景にあるもの、家庭環境、幼稚園に通っているか保育園に通っているかということも関係してくることが多いです。
■実際のピアノレッスンの進め方の一例
ピアノはたくさんの鍵盤の数があります。
白い鍵盤と黒い鍵盤あわせて88鍵盤。まずはドの音の覚え方から。
「耳を澄まして音を聴く」習慣をはじめからつけていきます。
黒い鍵盤が2つあるところの左側の白い鍵盤
そうすると5才児はすぐに反応します。
たくさんドの音がある中で真ん中のドの音とそれより少し高いドの音の違いを鍵盤の場所と耳でよく音を聴いてその違いがわかるかどうかお子さんに聞くとすぐにわかります。
好奇心旺盛なお子さんですと教えなくても低いドから一番高いドの音まで鳴らして面白がり「氷みたいな音」「お寺の鐘みたいな音」と自分が感じたままに言葉で表現してくれますね。
ピアノレッスンの初めの段階でなぜこの「真ん中のド」の音と「少し高いド」の音の場所と音の違いを明確にするかは大切なことで、家のピアノでもどこのピアノでも自分が弾いている音域が正しいか間違っているかを自分で判断できるようにするためなのです。
先生やお母さんに「そこ違うよ」と言われるのと、自分で気づくのとで大ちがい。
何でも「教え込む」のではなくて「自分で考えて見るクセ」をつけるといいのです。
■初めの段階から楽譜を読むことが楽しくなるレッスン
自分は「わかる、すぐにできる」という自己肯定感を付けてあげます。
マイナスの言葉を使いません。
「できるからうれしくなってどんどん練習してくる」
これはピアノレッスンをはじめた頃からみなさんが体感します。
「弾けないからいや、わからないからいや」というお子さんが一人もいないのです。
■ピアノを習っているのだからなるべくピアノに触れる時間を多くとります。
お母さんもほとんどの方がみなさんそう思っています。
「ちょっと今日は集中しすぎて疲れたな」というそぶりを見せたりそういった言葉を口にした場合、リズム練習で体を動かすと見違えるようになります。
ちょっと気をそらす。別なことを教える。
これはドリルなど書くお勉強でも構いません。
気の流れを変えると一気に集中するようになります。
ここが3才、4才とは違うところなんです。
■リズムは「理論的に教えていません」
キーボードパーカッション(別の鍵盤楽器に導入されている本物さなかがらの音でリズムを叩く練習をします)
声に出して体で感じて心も体も温まります。
■音符を書くことや理論的なことをわかりやすく書かれたドリルは宿題にはしません。
必ず先生が「この子はキチンと理解しているかな?」ということを毎回のレッスンで目の前で確認したいからです。
お家でお母さんの負担になるようなことはしません。
習いに来ているのだからレッスンの間は先生にお任せすればよいのです。
キチンと集中できるように言葉の使い方、動作に先生が注意を払っていきます。
お母さんがお家で行っていただきたいことは
「家での環境つくりとピアノを練習する時間の確保」を1日の生活の中で作っていただくこと。
お子さんが頑張って練習して弾けた時にほめてあげていただければそれでいいと思います。
■ピアノレッスンは音楽や鍵盤楽器に興味をもった時に習いはじめるのが一番うまくいきます。
そのキッカケは人それぞれ。
いちばん有効的なのは
■「誰かがステキにピアノを弾いている姿にあこがれて」
■「お家で流れている音楽が好きになってピアノを習いたくなった」
です。
この2つではないでしょうか。
大人になってからもピアノを弾くことや音楽がずっと大好きになれるからです
■5才からピアノを始める割合が高い理由
①幼稚園・保育園での生活にすでに慣れているのでおけいこ事をはじめるのに最適だから。
②日常のあれやこれやいろいろなことがだんだんとできるようになってきたこと。
③小学校に入学する前に「集団とは違う1対1で何かを習う、先生の話が聞ける姿勢を作っておきたいから」
④音楽に興味を持ち始めたから。まわりがすでにピアノを習っているから。
こういったキッカケが多いと思います。
たまプラーザエリアは昔から教育意識が高いご家庭がわざわざ他のエリアから引っ越してきて住み着くパターンがとても多いです。
私学進学率も高く(小学校、中高一貫校)小学校に入学する前に1対1のキチンと細かいところまで見てもらう習い事をすることで落ち着いて一人で勉強ができる子につながります。
勉強だけではなく文化・芸術に幼少の頃から触れていくことが心を豊かにしてくれます。
今はおけいこ事を複数掛け持ちで行っていたり、お母さんも仕事を持っていらっしゃる方が圧倒的に増えました。
家でお母さんの負担にならないように「どのように練習すればよいのか」
「短い10分とかの時間でもどこをどのように練習すれば次のレッスンまでに弾けるようになるのか」を具体的にレッスンノートに書いてお渡ししています。
保護者の方はお家で「練習へのお声がけ」「一日の中でどの時間帯に練習時間を確保するか」そのサポートだけでいいのです。
短い時間でも集中できる時間だけ毎日ピアノに触れる習慣だけを作っていただければと思います。
自分が習っていた時代やその当時のレッスンの進め方とは違っていいのです。
いかがでしたでしょうか?
ぜひ、参考にしていただけると幸いです。
■柴田音楽教室では幼児のお子さまの体験レッスンを行っています
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●この記事を書いた人
柴田里枝子 ⇒柴田里枝子のプロフィール