音楽をやる上で初見力の大切さを考えてみましょう
”音楽の初見力” の大切さについてお話していきましょう。
”初見力”って? ざっくり説明しますと
初めて見た楽譜を パッとその場で見せられて 数分間 でその楽譜を弾くこと。
楽譜をパッと渡されて、またはこれからやろうとしている新しい曲を
パッとみておおよそでも 「何となくこんな感じ?」というように
自分の力でつかめるようになる力をつけていけば、
レベルが中級・上級になっても練習や譜読みが苦にならないのです。
楽譜全体をながめて 「ああ、こんな曲だな~」 という感情を抱いて
その場で パッとその曲を弾いてみること。
音符を読む じゃないですよ。
カードで音符単体をみて、「これはド、これはラ」これは音符読みです。
3歳くらいのお子さんが
文字のカードを絵と一緒におぼえてだんだんとひらがなが読めるようになっていく。
音符を覚える第一段階ってまずはこのやりかたを
繰り返し繰り返し行っていくことから始まるんですね。
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これを本にたとえてみましょう。
文字が読めるから本が読めるようになるわけじゃないですか。
短い文章からだんだんと長い文章は書かれた本が読めるようになりますよね?
それを楽譜というものに置き換えて考えてみるといいんです。
楽譜には音符の他に休符だったり、その音符がどんなリズムで書かれてあるのか、
そういう情報がありますよね?
加えてもう少しレベルが高い楽譜になりますと、
アクセント記号< やスラー、スタッカートなどや強弱記号などもあります。
これらも踏まえて数分間楽譜を見て【自分の力】で弾けるか という力なんです。
これをピアノレッスン初期の頃から継続的にレッスン内で行っていくことで徐々に高い初見力を身に着けることができるんですよ。
①はじめは8小節程度の楽譜を見て即座に弾く。
②次の段階ではちょっとレベルを上げて16小節くらいの楽譜を見て即座に弾く。
普段レッスンでメソッドとして使っているメインの楽曲教材がありますよね?
それらは「こんな感じの曲だよ」というのを
耳と感性・体と心で感じ取ってもらうために大よそは弾いてあげます。
でもそれはある一定レベルまで。
中級くらいになったら「自分で読譜してみる」ことが大切です。
クラシックはまず、読譜力ありきで楽譜全体が読めて
おおよそがまず理解できないといけないからなんです。
そしてそれを歌や鍵盤上ですぐに表現できるかなんです。
ちなみにこの初見力はグループレッスンではほぼ身に付きません。
なぜなら手を見て必死に弾いているからです。
次のレッスンまでに形だけ弾けるように
あせって家で練習していると練習が楽しくありませんし、
だんだんとついていくのが精いっぱいで音楽の楽しさ、弾けた!
ということの喜び、努力をくりかえしてその結果としてひけるようになる、
という成功体験を学ぶことさえ苦しくなってしまいます。
小学3,4年でこの状況に陥ると、
もうすでにお子さんのモチベーションが下がっていく一方なのです。
何となくみんなと楽しくやれればいいのか?
習うからにはキチンといろいろなことを身につけたいのか?
高学年になって大きく差が出てしまうのは、ここの意識の違いにもあります。