環境が人を作るということ
両親のうちどちらかが音楽経験のあるご家庭は、お子さまも音楽好きになる傾向が強いといわれています。
極論になってしまうかもしれませんが、両親のうちどちらかが音楽家の場合ほとんどがその子供も音楽家になるケースが多い。(日本のミュージシャンの中には子供がいないご夫婦が多いのですが)
アメリカの音楽家はほとんどそのようですし、ヨーロッパ諸国のクラシックの作曲家はほぼそのとおり。
日本でも比較的古い世代の音楽家の方々は、大体父親が音楽家だったりします。
それ以外に、医者を多く輩出する家系で育つお子様は同じく医者になる可能性が高いと言われています。
これは家庭での空気、特にお母さまのお考えが大きく影響していくのではないのでしょうか。
例えば練習方法。
ピアノやバイオリンなどの楽器経験があるお母様(最近はお父さまもご経験のある方も少なくありませんね)は、
子供の時、どのように練習したかということを覚えていらっしゃると思います。
昔は厳しい先生、厳しいレッスンが多かったようですが、たとえそうであってもどのくらいのレベルまでピアノを続けられたか、という事実が実のところそのお子様にも反映していくことが多いのです。
要するに 「いかに一つのことを精進できたか」 ということです。
この事実は学業にも、就職にもそして社会に出ても必ず役に立ちます。
何歳まで続けたかということも大切ですが、実際には「どのレベルにまで到達できたか」の方が重要なんですね。
いやいややらされていたというのでしたら話は別ですが、ピアノなどの習いごとは2,3年習って辞めてしまっては意味がないのです。
これはピアノをほんの少しかじっただけ。
ピアノ経験のない方はこのことをおわかりにならない方もいらっしゃるようです。
お稽古ごと 10年 という言葉がありますが、これはある程度一生懸命取り組めばソナチネレベルにはなるということ。
つまりクラシックでいえばそこそこ名曲と言われる楽曲に取り組むことが出来るレベルになるわけですね。
そうなると例えブランクがあっても成人すればすぐに感が取り戻せて、また再び楽曲に取り組むことができるのです。
たとえば、現在在席されていらっしゃる大人の方はもう既に先生になられていらっしゃる方も何人かいらっしゃいますが、そうでなくても会社員でいらっしゃったり、主婦をされていらっしゃる方もみなさん子供時代にピアノを頑張って一つの形にした方々ばかりです。
だからすんなりジャズピアノにもコードの勉強も、または音大で学んできたクラシック以外の分野にもすんなり移行できているんですね。
やはり子供の頃、努力を重ねてきた人は違います。
ところが2,3年ピアノをかじっただけですと、おそらくバイエルの中盤から後半、もしくはブルグミュラーの途中までぐらいというのが大半かと思われます。
子供時代にソナチネレベルまで到達していないと、また初心者コースに逆戻りなんです。
初心者といいましてもピアノが全く初めての方と、少し(上記のバイエル~ブルグミュラーの途中まで)経験のある方とはアプローチの仕方も若干違うのですけれどね。
ご家庭環境も然りですが、複数の地域で指導してみてわかったことが 【地域環境】です。
教育にも仕事・ご商売にもある程度の競争がなくなったら終わりだということです。
この 【地域環境】の大切さ、これは身にしみてわかりました。
教育の質を上げていくのには教える方も教わる方も環境が大きく作用する ということです。
次回は 効果的な練習方法 小学生編 ステップ3,4 ブルグミュラー~ソナチネレベルまで
【効果的なご家庭での練習方法】 対する 【非効率で効果がない悪い練習の仕方】です。