こどものピアノコンクールについて思うこと。
こどものピアノのコンクールについて
一指導者の個人的見解をお伝えしたいと思います。
誤解のないように最初に申し上げておきますが、
コンクールというものを全否定しているわけではありません。
事情をお分かりになられていないで
「コンクール、コンクール」などと
親御さんと先生だけがアツくなるのはチョッといただけないと
日頃から思っているので、書かせていただきますね。
こどものピアノコンクールにおいて
(他の楽器にも同様のことが言えるかと思います)
イメージだけが先行していることが大きいので
ここで現実をお話させていただきます。
お子さんがコンクールに出るのであれば
↓
①ご自宅のピアノがグランドピアノもしくは最低でも
アップライトピアノであることが必要です。
どんなに頑張っても繊細な音の出し方やタッチは電子ピアノでは
コンクールで賞を取ることは無理なのです。
(通常のピアノレッスンであれば、家が電子ピアノでも
問題ないと思っています
(お子さん本人がピアノが好きかどうかの方が大切で、
本物のピアノを持っていても
あまり練習をしないのであれば、それこそ宝の持ち腐れです)
②子どものコンクール自体が、実のところ
先生同士の競争であること。
特に先生方の組織団体内での順位争いになっているコンクールもあります。
③コンクールの曲だけを何か月間もかけてやっていることで、
他の曲に取り組むことや他に学ばなくてはいけないことができなくなり
ものすごく偏ったレッスンになってしまいます。
見栄のため、コンクールで勝つためのレッスンになってしまう。
④クラシック音楽だけに偏りがちになります。
クラシック音楽、普段からあびるように
聴いていますか?
クラシック音楽が心から好きですか?
そうでなければ苦しむだけです。
音楽には他にも楽しめるジャンルがたくさんあります。
④コンクールに勝つためにはお子さん本人が
強靭な心と体力を兼ね備えていることが必須です。
メンタルが弱いお子さんや、
勝ち負けで一喜一憂してしまったり
厳しいレッスンでは時として心が壊れてしまうこともあります。
音楽には繊細な神経を持っていないと
いい音が出せなかったりしますが、
勝負となると人を蹴落としてでも
伸し上がる気持ちがないといけないのです。
コンクール会場で
他のお子さんの上げ足を取ったり
笑ったりする光景を目の当たりにして
愕然とした先生もいらっしゃるとのことでした。
⑤複数の習い事をかけもちでやっている時点で不可能なのです。
スポーツにたとえると大変わかりやすいかと
思いますが、国体やオリンピック出場を目指す人たちが
いろんなことに手を出していません。
”一極集中” してに精進しないと
中途半端で終ってしまいます。
⑥1日に3時間は練習することが可能な環境を作ることができるか。
⑦先生の厳しい指摘などにも耐えうることができるお子さんか?
コンクールともなると、正しく弾けているだけでは
普通と同じです。
微妙な音の出し方やこと細かい指摘に対して
嫌になるお子さんの方が多いと思います。
⑥そもそも芸術の分野に
絶対的な甲乙の点数などないのです。
ほとんどが審査員の好みや(ここでは言えないようなこと)
●閥的要素で決まることもあります。
⑥勝ち負けは別として、コンクールに出場することが
目標になると
大会が終わった後に
”燃え尽きてしまう”=”ピアノ・音楽そのものを辞めてしまう
この例が後を絶ちません。
出場することが目標、満足ならば
発表会で充分です。
発表会でのお子さん本人のレベルを上げればいいだけの話だと思います。
以上のことを踏まえて
コンクールは大学生・社会人になってから
つまり心も体も出来上がってからの方が
よろしいのではないかと私は思います。
いかがでしたでしょうか?
事情が分からないでお子さんの大切な
心と芽をつぐことだけは避けたいですね。
音楽が心から好きになれるための
お手伝いはできます。!(^^)!
とあるピアニストのお話。
コンクール対策のレッスンを主に行っていて
驚いたこと。
「楽譜が読めていない、基本的なことができていない」
大人になっても視野が狭く、
真面目過ぎて、言われたことしかできず
何のためにピアノをやってきたのかがわからない。
という人も見受けられた、
とのことです。
何のために音楽を習いますか?
大人になっても、ずっと年をとっても
好きな曲を自分の力で譜読みをして
弾けるようになりたいからという人が
ほとんどではないでしょうか?
そうなるには小学生のうちに
基本的なことをしっかりやっておけば
良いのではないでしょうか?
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